新プロ: 表面・界面 - 異なる対称性の接点

第一班: 表面・界面 - 構造の解析と制御


研究目的

 表面・界面の原子配列構造を高精度で解析し決定することは、 それに伴う物 性を理解し、さらにその構造を制御するための知見を得る上で非常に重要である。 特に表面・界面の制御による界面の平坦性と結晶性の優れた薄膜の作成は工業上 も重要である。

 本研究グループでは、 従来よりもさらに精度の高い構造解析法を開発すると ともに、薄膜成長、相転移、吸着などによる動的過程を原子構造から明らかにす る。 そのため、時間分解電子回折システムの開発とそれらの手法の確立を目指 している。 表面・界面の構造は、その物性と密接に関連している。したがって 表面・界面の構造を制御することによって、 その物性を制御することが可能に なる。本研究では、 吸着、蒸着法、光誘起反応や近接プローブ法など種々の手 法によって表面構造を原子レベルで制御する方法を開発する。 また、その制御 過程における構造解析から、表面・界面構造の制御に関わる因子を明らかにする。

 本研究では動的過程における構造変化を原子レベルで解析することが 一つの 重要な課題である。したがって、動的過程研究グループとは密接に連携して研究 を遂行する。 また、表面・界面の原子配列構造を効率よくまた高精度に解析し 制御するためには、その発現する物性に関する知見や理論的背景が必要不可欠で ある。 したがって、物性および理論グループとの強い連携によって研究を進め ることは言うまでもない。


研究計画全体の概要

 表面・界面の構造解析および制御の手法には、 大別して回折法と顕微鏡法が ある。本研究では、まず界面構造を高精度で解析するために、 高輝度シンクロ トロン放射光を用いた超精密X線回折法(角度分解能 0.5μrad) の開発を行う。 またこれを用いて薄膜成長における界面形成と結晶性に関する研究を行う。一方 電子は原子との相互作用が強いため、表面の構造解析に有力である。 本研究で は、反射高速電子回折 (RHEED) が高強度の回折図形を得られることを利用して、 電子線入射角度を高速で連続的に変化させることのできるビームロッキング RHEED装置の開発を行うとともに、 高精度構造解析に向けて、非弾性散乱電子の 影響を除去できるエネルギーフィルター型RHEEDの開発も行う。 光電子回折法は 光電子分光法と組み合わせることができ、それによって表面組成、電子状態と構 造を同時に解析することが可能となる。本研究では2次元光電子分光測定法を開 発し、 それにより光電子回折図形と分光スペクトルを同時に測定し、構造解析 を精密に行う手法を確立する。 またマイクロ電子ビームを用いた後方散乱電子 回折法を開発し、表面の局所構造解析法を確立する。 上記の手法に加えて低速 電子回折法 (LEED) および走査トンネル顕微鏡法 (STM) などにより、 結晶表面 の微量吸着構造、薄膜成長初期の構造変化を調べるとともに、半導体薄膜成長お よび金属多層膜や磁性薄膜成長における界面形成の 構造解析的研究を行う。表 面・界面構造の制御に関しては、軟X線・X線の結晶内部での回折と 結晶表面で の光化学反応を組み合わせることにより、極微細な構造を作製する研究や、 STM などの近接プローブを用いた結晶表面加工と微小な構造の安定性に関する研究を 行う。 また結晶表面における異種原子の被覆量を精密に制御することによる構 造制御の研究も行う。 毎年、全体会議の研究会のほかに、 物性グループと合同 で研究連絡会を開いて相互協力を進める

研究組織

代表者
研究分担者

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