カーボンナノチューブの主な生成法として、レーザー蒸発法とアーク放電法が挙げられます。

図1 レーザー蒸発装置図

電気炉の中に挿入した石英管の中央に、グラファイトのターゲットを置き、石英管にアルゴンガスを流します。

ガスの流れの上流側からグラファイトにNd:YAGレーザーを照射して、グラファイトを蒸発させると、電気炉の出口付近コレクターや石英管に煤が付着します。

ターゲットがグラファイトのみの時は、得られる煤はC60、C70といったフラーレンが得られ、ターゲットに触媒となる金属(例えばコバルトやニッケルなど)を含む場合、単層ナノチューブが得られます。

図2 アーク放電装置図

この方法では、炭素の蒸発にアーク放電を用います。装置内を雰囲気ガス(主にヘリウム)で満たし、2本のグラファイトの電極を軽く接触させた状態で、100A(約20V)の電流を流すとアーク放電が起こり、高温になる陽極側の炭素が蒸発します。

蒸発した炭素のおよそ半分は気相で凝縮し、煤を形成して、装置の内壁に付着し、残りの半分の炭素蒸気は陰極先端に直接凝縮して炭素質の堆積物を形成します。この堆積物中に、多層ナノチューブが成長します。

単層ナノチューブは、陽極に触媒金属を含んだ炭素棒を蒸発することにより得られます。

レーザー蒸発法はナノチューブの基礎的な物性測定には十分な量の試料を得ることができるが、アーク放電法に比べて生産性は低い。本研究室では、おもにアーク放電法を用い、カーボンナノチューブの物性を調べています。


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 名古屋大学工学研究科量子工学専攻 齋藤研究室